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しもやけはツラいよ!

連日フロントガラスが凍りつく低温です。

皮膚科外来には凍瘡(しもやけ)の患者さんが

沢山こられます。

温めると痛痒いしもやけ。案外困る疾患です。

僕も小学校1年生の頃、しもやけがひどくて、

ある日朝おきたら足が腫れていたので、学校を休んだら、

担任の先生から電話がかかり、

「甘やかし過ぎでは?」と言われたそうです。

「しもやけぐらいで」と思われるかもしれませんが、

体重をかけると重だるいような痛みが走り、

じっと立っておくこともできません。

なった人にしかなかなかわからない痛みの一つです。

しもやけは、自律神経のまだ発達していない子供や、女性に多く見られます。

寒いところでは、体温を失わないために手足の血管は収縮しています。

それが急に温められることによって、収縮していた血管のうち、

動脈だけが拡張し、静脈が収縮を続けていると、

指先で血流が滞り、血管外に組織液として漏れ出してしまうため、

さらに血管を圧迫して血行不良を起こしてしまうようです。

また、靴の当たるところなどで圧迫されている部分にも

見つけることができます。

つまり、『急に温めない』ことが大事!

寒いところからおうちに帰ったら、

急にお風呂であっためるのではなくて、

ぬるま湯から少しずつ、

自然に血行が回復するのを待ちながら温めてください。

うまくいけば冷たい血が腕を上ってくるような感じがあると思います。

一旦しもやけになってしまったら、少しぐらい温めても元には戻りません。

ゆっくりマッサージしてあげることです。

子供さんであれば、最初は押さえるだけでも痛がりますが、

5分も続けていれば、全体的に腫れが引いてきます。

ステロイドや、へパリノイドの外用薬を、クリームがわりに

すり込んであげると、より効果的です。 しもやけを防ぐためには、とにかく冷やさないこと!

手袋や靴下を厚手のものに替えましょう。

汗をかいて湿った靴下はすぐに乾いたものにとり替えること。

手を洗って、濡れたままで長時間いると、気化熱で手が冷えます。

すぐに水気を拭くようにしましょうね。

でも、水ぶくれになったり、あるいは崩れて潰瘍になってしまったら、

マッサージをすると、患部を痛めるかもしれないので、気をつけてください。

直接ガーゼや包帯を当てると、はがす時がとても痛いので

傷口を乾かさない工夫をしてください(詳しくはお近くの皮膚科まで!)。

寒い運動場や教室で長時間過ごす子供たちには、

靴に入れる中敷きタイプの使い捨てカイロを入れてあげるといいでしょう。

でも、しもやけになってしまっていれば

余計痒いかもしれないので気をつけて。

たかがしもやけ、されどしもやけ。

暖かくなれば治るので、見逃されがちな地味な病気ですが、

なっている本人はとてもつらいもの。

外用薬だけで難しければ、ビタミンEやホルモン剤の内服で

良くなることも多いです。

お困りの際には遠慮なくお近くの皮膚科をお訪ねくださいね。

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